ヨシナガマイコのおうちパンのある生活

コラム

【コラム】わたしのパン作りについて

【コラム】わたしのパン作りについて

こんにちは、吉永麻衣子です。

令和初日のコラム『平成から令和に。』で私の変化について書きました。

その中でパン作りについても少しふれましたが、伝えきれなかったことをここに綴ってみたいと思います。

私がパン教室をスタートするまで

キッチン

私が最初にパンを作ったのは、おそらく小学生のころ。

母の隣で生地を触らせてもらい焼きあがったパンは、今思えば過発酵で表面に塗った卵も黄色く固まっていたような気がするけれど、ウィンナー入りを弟と取り合って食べたのは最高においしかったです。

小さいころから料理をしたりお菓子を作ったりするのが好きでした。レシピを見て、失敗しながら作っていましたが、なぜかパンを自分で生地からこねて作ろうと思ったことはなかったように思います。

私が意識的にパン作りをスタートしたのは入社4年目。社会人になってからです。

当時の彼氏(めでたく今の主人)がアメリカに行くというので、関西支社に転勤にしてもらい実家から通った2年間がありました。

その時にはじめたのがパン作りでした。

「せっかく家にいる時間があるから、なにかはじめたら?」という母からの提案で、ホームメイド協会の体験会に母と参加したのが最初です

その時焼いたカップに入れたクルミパンは少しこんがりしていたけれど、「自分で焼けるんだ! そしてこんなにおいしいんだ!」と感激。どんどんパン作りの楽しさにのめりこみました

どうしても、もっともっとパン作りが習いたくてネットで調べ通いはじめたパン教室。

ここが実は「パン教室を開くためのお教室」で、通っている方は教室をどのようにスタートさせようか考えながら通っていました。

それがとても刺激的で

もしかして私にもパン教室が開けるかも。そして、今アメリカにいる彼氏と結婚できたら彼の生活に合わせて開催できるし、子育てしながらうまく働けるかもしれない。

「これっていわゆる手に職ってのだ!」と思いました。

そう思ったらそれしか考えられなくなり、パン作りのこと、教室運営のこと、たくさん勉強しました。そして、めでたく結婚を機に会社を退職し、パン教室をスタートしました。

スタートしたころに伝えていたパン作り

スタートしたころのパン教室by吉永麻衣子

私のパン作りはどんどん変化・進化しています。

当時伝えていたのは、イーストを2パーセント近く入れて、35℃で1時間ほど1次発酵を取る方法でした。

こねるのも15分間必死にこねる方法。

それしか知らなかったし、それしかパンを作る方法はないと思っていました。他にも作り方があるなんて思いもせず、これしかないと思い込んで作っていました・・・。しっかりこねて作ったパンは、ふわふわでとてもおいしいです。油脂の量も結構入れていました。

当時、私は1回のレッスンで2種類のパンをお伝えしていました。

  • ひとつはこねるところからスタート。
  • その合間に1次発酵済みの生地を分割するところからスタートするもの。

発酵時間やベンチタイムにもう一つの生地を触ることができるので、生徒さんは手持無沙汰ではないし、とてもよかったんですが、10時にパン教室をスタートさせるのに、1次発酵を終えたものを準備しようと思うと8時半ごろからなにがなんでも生地をこねなくてはならず、それは結構なストレスでした。

子どもが泣いていようが、とにかくなによりも先に生地をこねなければならなかったのです。

現在、みなさんにお伝えしたいパンとは

吉永麻衣子が伝えたいパンとは

でも、今はイーストは0.5%、発酵は冷蔵庫にお任せで、油脂は入れたり入れなかったり。こねるのは、ボウルの中で少し合わせる程度。分割、丸めもなく、仕上げ発酵もなしで焼成はオーブンではなくトースターやフライパン、魚焼きグリルを使います。

冷蔵庫に生地を入れておけるのはとても便利で、パン教室を運営するうえでもとても助かりましたし、ひとりの母としてもとても助かりました

このアイディアって、私の場合、急にピカーンっ!と思いつくのではなく、自分自身の体験や生徒さんとのやり取りの中のヒントをもとに試作をしてたどり着いていることが多いです。

教室を運営するのに生地を準備するのが大変ということは、きっと「自宅でパンを焼いているママたちも大変だから改善したい!」、そんな思いの積み重ねです。

みなさんからのご意見がいつも頭のどこかにあって、何気なく毎日過ごす中でその答えを自分なりに見つけています

おうちパンを食べるわが子

生徒さんはママが多いので、毎日子どものために焼けるパンを求めていました。

  • 毎朝焼きたてのパンを食べさせる方法はないか?
  • どうしても工程が長いと、途中で子どもがお昼寝から起きてパンを放置することになる!なんとかならないか?
  • もっと栄養の取れるパンを焼いてあげることはできないか?

などなど、生徒さんからのご意見にまじめに取り組んだ結果が今のパン作りです。

もちろん私自身子育て真っただ中なので、パン作りが好きな私ですら大変と感じるのですから、生徒さんたちはきっともっと大変な思いをして子どもたちのためにパンを焼いているのだろうなと、考えました。

教室を実際にしていたころは、難しくないとパン教室としての価値がないと思い込んで、自家製酵母のパン作りをお伝えしたり、ハード系のパンをうまく焼く方法をお伝えしたりしていました。

それはそれでしたが、「でもやっぱり違った!」。私がみなさんに伝えるべきパン作りはそれではなかったと反省しています。

必要な工程だけ残して、他はそぎ落とした結果生まれた『ちょい足し酵母』

ちょい足し酵母パン

今お伝えしているパン作りが今の私にはとてもしっくりきます。

忙しいママでも毎日焼けるパン作り。

必要な工程だけ残して、他はそぎ落としちゃいました。形はとっても武骨です。大きさもまちまち。

考え方も変えて、自分の変なこだわりは捨てて、子どもの笑顔のためだけを考えて作り方を組み立てるようになりました

『ちょい足し酵母』がまさにそれです。

自家製酵母のパンを作る世界って、釣りで言うと天然の魚を釣るようなもの。海の磯に、船で渡船屋さんにあげてもらって、そこで釣り竿一本で釣る!そんなのがまさにかっこいい釣りです。(父は根っからの釣りバカ)

もしかすると私の『ちょい足し酵母』というものは、その海に魚を放ってそれを釣っているだけ、そう感じる人もいるのかもしれません。実際に私自身、以前はそう感じていました。これをドーピングなんて表現する人もいます。それも知っています。

でもいいんです! 釣れて(=おいしいパンが焼けて)子どもが喜んでくれれば!

趣味で焼くパン、家族のために焼くパン、別物なんだと理解しました。『ちょい足し酵母』は、いいとこどりのパン作りです。

ちょい足し酵母パン半分に切った形

自家製酵母のパンはおいしいです。自家製酵母にはたくさんのうまみが詰まっています。

でも、膨らまないことがある。そのリスクが子育て中の私には困るので、うまみを自家製酵母から、そしてふくらみはインスタントドライイーストからもらおう!というのが『ちょい足し酵母』です。

「自家製酵母だけで膨らませないと嫌!ダメ!気に入らない!」と思っていましたが、いやいや、今はいったんそれを忘れて、「子どもが食べておいしいパンを焼こう!」と思えたら気持ちが楽になりました

魚釣りだって、磯で釣り竿一本で勝負する楽しみ方と、魚がどこにいるのか見えるような釣り堀で釣る楽しみ方とあってよいのと同じです!

いつか自分に時間ができた時に、趣味で焼くパン作り、存分に楽しもうと決めています。

それを楽しみに、今はおうちパン楽しみます。そして、おうちパンを楽しむ仲間とともに、一緒にパン作りを通して楽しい未来を描いていきたいと思っています。