ヨシナガマイコのおうちパンのある生活

コラム

平成から令和に。

平成から令和に。

平成から令和に。

私のパン作りの変化を、平成の時代に感謝して書いてみようと思います。

パン教室スタート

パン教室

2003年に大学を卒業し、6年間インテリジェンスで勤務しました。

結婚を機にパンの世界へ。

まったく未経験の業界だったので、「こうなりたいというイメージ」を持って、今できることをしようと思って動きました。

企業のパン教室立ち上げ、専門学校講師、カフェのキッチン、ケータリング、料理家の先生の撮影アシスタント、フードコーディネーターの勉強などなど、その時は「これをしなければ!」という思いでいろいろチャレンジしていました。

でも今思うと、これまでの人生経験すべてが、今いる「食」の世界では生きるということ。

「これは必要!」と決めて勉強してきたけど、それだけでもなくて、その横にある「おまけでやっていたこ」とが実はとても大切だったりしているなぁと振り返っています。

私はこれまで「これはこう!」と決めつけて、自分を苦しめていたことが多かったように思います。

  • パン教室はこうでなくちゃ!
  • パン講師はこうでなくちゃ!
  • パンの作り方は習った通りにこう!

でも、10年やってみて違った!

それに気づけた私は、ずいぶん気持ちが楽になり「パンのある生活」を楽しめていると感じます。

決めつけのかっこつけのわたし、バイバイ!

子育てしながらの働き方の変化

新刊「子どもと作れる12か月のパン」(新潮社)を作りたかった理由by吉永麻衣子

子どもが生まれる前からスタートしていたパン教室。

そのころから「子連れOK!」として、お子様連れでお越しいただいていました。ママのパンを食べる子どもたちの笑顔がたまらなくかわいくて、幸せな気持ちになりました

それから私にも子どもが生まれ、パン教室では長男とは共存することができ、パン教室を開催しながらも横で子どもを遊ばせていました。

「ママが働く」には日程調整もできるし、とても良い働き方だななんて思っていたのですが・・・

次男は共存ならず・・・。 

おもちゃを生徒さんのお子さんに貸しえてあげることができず、悩みました。

でも、このパン教室を開いていることは私の勝手なこと、子どもをどこかに預けて教室を開くのも私がやりたいことではないし、子どもを叱りながらするのも違うなぁと。

私自身が教室運営を楽しめていなければ、パン作りの楽しさはお伝え出来ないだろうと、生徒さんにお詫びして、自宅でのパン教室をおやすみすることにしました。

ちょうどそのころ、『スティックパン』『ドデカパン』を自分の中で作り上げていました。

その時は本気で悩んでいましたが、振り返ればタイミングとしては良かったのかもしれません。

私は「パン教室はこういうもの!」と決めつけで、「こんな簡単なパンを伝える教室なんて価値がない」と思い込んでいましたし、私の代表的なパンがこの武骨すぎる『スティックパン』や『ドデカパン』になるのも抵抗がありました。なので最初はブログも別に書いていました。

でも、このパンレシピをブログに掲載したところ、たくさんのお問合せがあり、手ごたえがあって、メディアにレシピ提供する仕事に意識的にシフトしていきました。

メディアの仕事はその当時の私にとってはありがたく、昼間は子どもたちと遊ぶことできました。

試作は空いている時間に、夜中どもたちが寝ている間にパソコンに向かってレシピを書けばよかったのです。

本の撮影は私の場合4日ほどかけるのですが、まとめての仕事だと実家から母に手伝いに来てもらって見てもらうことができるので、また新たなママの働き方としてよい形に落ち着きました。

でもそこでひとつ反省したことがあります。

それは、この簡単なレシピを見て教室の生徒さんからの質問が多かったことです。子連れOKのパン教室として開いていたのに、私はデイリーで焼けるパンをお伝えできていなかったんだなということ、そしてこれまでお伝えしていたパン作りがきちんと理解されていなかったのかもしれないということです。

「子どものためにママがパンを焼きたい!」

その気持ちにお応えしたくて、教室を開いていたのに、私のかっこつけのために違っていたのかもと、すっと自分の中に落ちたのが今でも思い出されます。

レシピの変化

レシピの変化
私の教室でお伝えしていたパン。

最初はストレート法といって、35℃で1時間ほど1次発酵をとるパン作りをお伝えしていました。パン教室を10時からスタートしようと思うと、8時過ぎにパンをこね、1次発酵をスタートする必要がありました。

それは、子どもが泣いていようと、何があっても!です。

そんな運営が大変で、何か良い方法はないかと模索した時に取り入れたのが「冷蔵発酵」

生地を冷蔵庫に入れて発酵させる方法。これは、前日に準備ができるので、私にとって、家族にとって画期的な方法でした。

生徒さんからのご要望で、「朝焼きたてパンが食べたい!」というものが多く、ご期待にこたえる形で『スティックパン』『ドデカパン』が生まれましたが、その前は「丸めをきちんとすれば温め直したパンでも十分においしいからきちんと作る方法を身につけてね」なんて話をしていました。以前執筆していた『ミキハウス子育て総研 ハッピーノートの輝くママ』にもそう書いています。

そこから時は流れ、今は「忙しいママが毎日焼けるパン」をテーマに、必要な工程だけ残して、省ける工程はそぎ落としたパン作りをお伝えするようになりました。

焼成もオーブンではなくトースターやフライパン、魚焼きグリルになっています。

教室のスタイルの変化

スマイリーハウスおうちパン教室by吉永麻衣子

もうひとつ大きなチャンスをくださったのが、『Smiley House』の綾子先生でした。

キッズ向けのスポーツ教室をされているのですが、「うちに通ってくれる生徒さんたちに食の面でもご提案したい」とご相談いただき、そこで開催したのが、今、全国で『おうちパンマスター』が開催している、『おうちパン講座』です。

私はそれまでパン教室は参加者全員でこねて、成形して、焼いて、食べて・・・。「みんながパン生地を触るのがパン教室だ」と決めつけていました。

でも、そのスタイルは変わりました

パン作りを講師がデモでお見せするだけ。参加者は子どもを足元で遊ばせたり、おんぶしながら見る。メモを取るもの大変であれば動画も写真もOKで、ご試食もひとくちずつ。参加費も1000円程度。1時間完結のパン教室。焼くのはトースターかフライパン。

すごく勇気がいりましたが、そんなことをしているうちに、おうちパンを楽しんでくださる方が増え、私のこれまでの決めつけってなんだったんだろうと思いました。

目的を見失わないように

超簡単「こいのぼり」のドデカパンレッスンinラカグ

これまで私は「これはこう!」と決めつけてやってきました。きっとそのほうが楽だったんだと思います。でも、これからは目的は見失わずに自由な発想でいろいろチャレンジしてみようと思っています。

私のパン作りは、プロの方からみたらびっくりかもしれません。

でも、今はこのパン作りが私の生活にはフィットしています。きっと子育てしていたり、お仕事していたり、忙しい方には楽しんでいただける方法だと思っています。

その先に、「家族の笑顔があること」、それを目的に今はパンを焼こうと思います。

もっともっとたくさんの方にお届けできるように、そして、もっともっと簡単においしいパンが焼けるように、がんばります。

こうして言いきれるようになったのは、本を出版するチャンスを下さった出版社、講座をひらくのに場所を提供してくださっている方、そして生徒様、全国・世界のおうちパンマスターの2300名のみんなからの声がけがあったからです。

恵まれた環境で、私のやりたいようにレシピ提案をさせていただけることを、心から感謝します

おうちでママがパンを焼けば、そこに住む家族はニコニコ幸せな時間を過ごしていただけると思います。

そんな「小さなハッピーの積み重ねで、世界中がハッピーになればいいな」なんて大きな目標を掲げて、令和の時代も進んでいきたいと思います。

最後に、平成という時代を支えた美智子皇后は、私の母校、聖心女子大学の先輩にあたります。本当にありがとうございました。皇后の丁寧なご公務の様子、いつも学ばせていただきました。