ヨシナガマイコのおうちパンのある生活

コラム

【おうちパンマスターFile vol.4】パン作りを通して、笑顔の輪を広げたい~鎌田 忍さん(後編)

【おうちパンマスターFile vol.4】パン作りを通して、笑顔の輪を広げたい~鎌田 忍さん(後編)

こんにちは、吉永麻衣子officialサイト編集部の尾畠です。

さて、“おうちパンマスター”として、独自に素晴らしい活動をしている方にスポットライトをあて、お話を聞く『おうちパンマスターFile』。

第四回は、小学校2年生の息子さんをもち、障がい者施設での「おうちパン講座」や「夜のパン教室」という、生徒さんの声に応えた珍しい教室を運営される鎌田忍さん。その前編では、“おうちパン”との出会いから、“おうちパンマスター”になるまでのきっかけについて、伺いました。

今回の後編では、“おうちパンマスター”になって、鎌田さんがどのような活動をしているのか、どのような変化があったのか、ご本人にインタビューしました。

“作る喜びと食べる喜びを感じてほしい”という願いを叶えた「おうちパン講座」

ーー鎌田さんが、“おうちパンマスター”として独自に活動されているような分野はありますか?

(鎌田さん)普段やっている自宅教室以外に、知的障がい者施設の方たちに「おうちパン講座」をしたり、昼間に教室に来られない方を対象に「夜のパン教室」を開いたりしています。

 

ーーそれはとても興味深いです! なぜ知的障がい者施設で「おうちパン講座」を開こうと思ったのですか?

(鎌田さん)知的障がい者施設での開催は、施設で管理栄養士をしている友だちからの依頼です。その施設は重度の知的障がい者が生活されている場所です。

食事は厨房から運ばれるご飯なので、焼き立てのパンを食べることもないそうです。パンを作るという事は指先を使うのでリハビリにもなりますし、なにより利用者さんたちに、焼きたてのパンを食べさせてあげたい、作る喜びと食べる喜びを健常者と同じように味わって欲しいという想いに共感しました。

「おうちパン講座」は、比較的障がいが軽く意思の疎通ができる方たちを対象に、宿泊施設から通ってくるデイサービスで行っています。

ーー実際に開催してみて、利用者さんからの反応はいかがでしたか?

(鎌田さん)最初はフライパンパンから作りました。

できあがったパンは、形は少々いびつですが、丁寧に作られたのでふんわり美味しく焼けました。職員さんも利用者さんも大感激!

昼食に焼き立てパンが出されるとあっという間になくなりました。普段、食事の進みの悪い方まで一気に食べられたそうです。

そこから、職員さんの提案で、定期的に「おうちパン講座」をしています。

ーー丁寧に心を込めてパンを作る様子が目に浮かびます。同じ利用者さんや施設の方たちに「おいしい!」と喜んで食べてもらえることは、きっと大きな達成感、喜びにつながったことと思います。焼きたてパンが施設のみなさんの身近なものになったこと、本当に嬉しいですね! 施設のみなさんとのエピソードなどあれば教えてください。

(鎌田さん)栄養士さんから「ピザを食べさせたい!」と提案があり、ピザの講座を開催しました。(施設の方たちは成人ですが、普通の大人と同じことは出来ないので、特別なケースということでキッズレシピの使用の許可をもらいました)

普段は冷凍ピザしか出せないので、本物の焼きたてピザを食べさせてあげたいということでした。冷凍ピザは食べる時にはカチカチになってしまうので、焼きたてピザを作った時は本当に喜ばれました!

園長がその様子を見ていて、「園にいる人たちみんなに食べて欲しい!」との願いで、昨年のクリスマスは、デイサービスの利用者さんや職員さん、厨房の職員さんと協力して、大量のピザを焼いてクリスマスのお楽しみランチにされました。

私は今まで事務職しかしたことがなかったので、この施設のお手伝いをしていろいろ考えることや発見がありました。

普通に暮らせることのありがたさを感じながら、障がいのある方も私たちと同じように作る楽しみ食べる喜びを味わうお手伝いをしていきたいと思います。

本当は自分たちもパンを焼きたい・・・、「夜のパン教室」のきっかけとは?

ーーまさに笑顔の連鎖! “おうちパンマスター”としての活動の一歩が施設全体に広がって、みなさんに笑顔を運んだ素敵なエピソードですね! 「夜のパン教室」の方は、具体的にどのような活動なのですか?

(鎌田さん)これは児童館で子ども対象の“おうちパン”講座を開催していて、そこで先生たちと打ち合わせをしているときにひらめいた教室です。

子どもたちに講座をするときは、先生たちがサポートに入ってくださいますが、講座中は子どもたちのフォローで忙しく、「パン作りのことは半分も頭に入らない」とのこと。

実は先生達も、「しっかりパンが作りたい!」「でも、平日や土曜日は仕事があるから習いに行けない・・・」と思っていらっしゃるようでした。

そんな話から、児童館の先生を対象に土曜日の夜、仕事終わりに講座を開催してみました。仕事帰りにちょっと飲み会に寄る・・・、みたいな気軽に参加できる教室をはじめました(笑)

その後、Facebookなどで呼びかけたところ、「仕事や子育てで昼間に教室に行くのが難しい・・・」という方がたくさん集まってくださいました。

私の自宅が市内から少し離れているので、夜でも集まりやすいように、駐車場が大きくて調理室があって遅くまで借りられる施設を探しました。今はそこで月1回、「夜のパン教室」をやっています。

田舎なので、材料も簡単には揃わないときがあって、「あそこのスーパーにこんな材料があった!」とか、試食をしながらいろいろな情報交換したりも。

その場でおすすめのトースターをネットでポチッと購入されたり、Cottaの無水鍋を即買いされた方もいらっしゃいましたよ(笑)

そういうざっくばらんなのも、「夜のパン教室」の面白いところです。

パンとともに、たくさんの笑顔の輪を広げたい。

ーーこれからさらにやってみたいことなどあれば教えてください。

(鎌田さん)私の住んでいる鳥取県は“おうちパンマスター”の数も他県に比べたら少ないと思います。
そして、“おうちパン”を知っている方もまだまだ少ないと思います。

“おうちパン”と言えば「あのパンでしょ!」と言ってもらえるくらい広がって欲しいです。

私も鳥取県の狭い範囲でしか活動がでできてないので、県内全体から講座のお声がかかるくらい活動範囲を広げていきたいです。「パンと一緒に、たくさんの笑顔の輪が広がっていけばいいなぁ」と思っています。

そして、いつまでも楽しんでパン作りを教えられる人になりたいです。

私の自宅教室にも、気負わず友達の家に遊びに行くような感覚で来ていただけたらうれしいです。(実際、居心地いいわ~ってくつろがれる方もあったりします)

小さな子どもさんが一緒でも大丈夫です。田舎ならではののんびりした場所で、駐車スペースもたっぷりありますよ(笑)

ーー未来の“おうちパンマスター”や読者のみなさまへのメッセージをお願いします!

(鎌田さん)「おうちパンマスターって難しくないですか?」とお問い合わせいただくことがあります。

でも、おおざっぱで面倒くさがり屋の私が“シニアおうちパンマスター”として活動できているのできっと大丈夫です。

身体に安全で美味しい物を食べて笑顔になれることが何よりだと思うので“おうちパン”を知って絶対に損はないと思います。

大袈裟ですが、世界が広がる感じがしてワクワクな毎日です! 初めて会う方とパン作りを通してお話をしたり、いろいろな事を教えてもらったり・・・。

私はおうちパンに出会って生活が変わりました。楽しい毎日に感謝しています。

おわりに。

第四回の『おうちパンマスターFile』、いかがでしたでしょうか?

「夢中になれるもの」、「子どもに誇れるもの」を追求した結果、知的障がい者施設での「おうちパン講座」や「夜のパン教室」という、生徒さんの声に応えた珍しい教室を運営される鎌田忍さんのStoryでした。

知的障がい者施設での「おうちパン講座」も「夜のパン教室」も、ご依頼された方の想いに共感し、寄り添い、その希望を叶えていく過程で鎌田さんらしいスタイルを確立していることが、本当に素晴らしいと感じました。

また、「パンと一緒に、たくさんの笑顔の輪が広がっていけばいいなぁ」と語る鎌田さん、温かさと優しさと強さを兼ね備える鎌田さんの今後の活躍に注目ですね!

さて今後も、“おうちパンマスター”として独自のフィールドで活躍する方をご紹介していきます! “おうちパン”の魅力はどこまでも広がり続けます、お楽しみに~♪