ヨシナガマイコのおうちパンのある生活

コラム

【おうちパンマスターFile vol.5】生徒のために、生き生きと活躍できる場を創りたい~石井秀貴さん

【おうちパンマスターFile vol.5】生徒のために、生き生きと活躍できる場を創りたい~石井秀貴さん

こんにちは、吉永麻衣子officialサイト編集部の尾畠です。

“おうちパンマスター”として独自に素晴らしい活動をしている方にスポットライトをあてる『おうちパンマスターFile』

さて、五回目の今回は、現役で公立中学校の教師をされている石井秀貴さんです。大学生になるふたりの息子さんと高校生の娘さんのお母さんでもあります。

パンを焼き続けるそのルーツは、小さいころ、食の細かった息子さんが、ママの手作りメロンパンを喜んで食べてくれたこと。

お子さんが成長した今は、中学校で「放課後パンクラブ」を開催し、生徒たちと一緒に“おうちパン”作りを楽しんでいます。

さて、石井さんの“おうちパンマスター”になったきっかけや現在の活動について、ひも解いていきたいと思います。

まさに「ドンピシャ」、仕事にも活かせる“おうちパンマスター”

ーーおうちパンマスターになったきっかけはなんですか?

(石井さん)子どもが小さいときは、自己流のパン作りを続けていました。

子どもたちも成長し、「何かいいレシピはないかな」と探しているときに出会ったのが“おうちパン”。同時に「おうちパンマスター」の資格があることを知りました。仕事の中でやりたいと思っていたことと「ドンピシャ」だったので、資格をとりました。

ーー「ドンピシャ」とは、どういうことですか?

(石井さん)もともと、パンを作ったりお菓子を作ったりは、やり慣れていることではありました。それを仕事の中で活かせないかと考えていました。

私は中学校の中で相談室(いわゆる不登校の生徒や教室に行くことに困難を抱える生徒達と適応指導などを行う教室)を運営しております。そういう役職についている、ということです。

コミュニケーションに困難を抱える生徒さんたちと、様々な作業や遊び、活動を通してその成長を支えていく場所です。

「おうちパンマスター」の仕組みを拝見し、人に教えることのできる資格であること、また、限られた時間の中で実施できることがわかり、マスターになってみようと思いました。

そして今、部活動に参加していない生徒を対象に「放課後パンクラブ」を開催しています。

「放課後パンクラブ」の広がり、そして生徒たちの変化

ーー「放課後パンクラブ」、楽しそうですね! 開催までは大変なこともあったのでは?

(石井さん)学校現場で行うので、企画を職員会議に通して承認を得たり予算取りをしたり、周りの方の理解を得るために奔走しました。

まず、相談室登校の生徒と活動を行いました。その生徒たちが明るく楽しそうに活動する様子に、全職員の賛同を得ることができました。最初に相談室登校の生徒たちと活動を始めたのは、まず、私と一番近いところにいる生徒と活動をしてみて、どのような反応があるのか見たかった、ということもあります。

現在は、学校中に広く募集をかけています。

中学校なので、放課後は部活動の時間です。この時間にかぶせることで、部活に所属していない生徒が集い、新たなコミュニティを形成することができました。人間って自由にしたいこともあるけど、何かに所属していることで存在感を感じたりしますよね

思春期の子どもたちの心を満たし、家族のコミュニケーションにもつながった“おうちパン作り”

ーー“おうちパン”を作ることが思春期の子どもたちにどんな影響を与えているのか、先生の立場から感じられることがあれば教えてください。

(石井さん)生徒さん自身が喜んでやってくれるのはもちろん嬉しいことですが、彼らの保護者さんからの反応が多くて、びっくりしました。

「家でパンを焼いてくれました。びっくりしました。すごく楽しみに学校に行くようになりました。」、「学校の様子を話してくれるようになりました。」等のお話をいただきます。

家族内のコミュニケーションを作ることになったのだと感じています。

「放課後パンクラブ」は、私が事前に準備しておいた生地を使い各自が焼いてみる。次に各自が生地を作る。それを翌朝自宅で焼く。というものです。

自宅でパンを焼く、ということは親でもなかなかできないことでしょう。それを中学生がやる。「すごい!」とか「おいしい!」という家族からの反応は、思春期であり反抗期でもある彼らの心を満たすものであると思っています。

生徒たちの活躍できる場を広げていきたい。

ーー現在「放課後パンクラブ」で活動されている石井さんですが、今後さらにやってみたいことなどありますか?

(石井さん)『子ども食堂』という場が各地で広がっています。

中学生であれば発達段階から考えて、いただくだけではなく自らつくりだし誰かに喜んでもらうことで幸せを感じていくものと思います。『子ども食堂』にも中学生が活躍できる場があるのではないかと考えています。

ーー“おうちパン作り”を通して「自分で作れたという自信」、「誰かのために作る喜び」を生徒たちと共有されている石井さん。これは思春期の子どもたちにとって、「自己肯定感を育む」という、とても大きな力になっているのではないでしょうか。

ーーそんな石井さんのパン作り人生に大きな影響を与えたお子さんたち、現在の反応はいかがでしょう?

(石井さん)長女は「いいな、その学校。」とうらやましがってくれます。長男は帰省したときは必ず持って帰ります。次男は大学生になり一人暮らしですが、たまに自分で焼いているようです。

ーー最後に、未来のおうちパンマスターや読者のみなさまへのメッセージをお願いします!

(石井さん)吉永先生をはじめ、“シニアおうちパンマスター”の方々は本当に志の高い素敵な方々です。この世界を垣間見ることができ、「私の人生はさらに楽しくなる」と感じている今日この頃です。

おわりに。

第五回の『おうちパンマスターFile』、いかがでしたか?

子どものために焼いてあげるところから始まった石井さんのパン作り。今はそこからさらに一歩先へと進み、生徒さんたちのために「放課後パンクラブ」を立ち上げ、発展を続けています。

また、中学生がさらに活躍できるように、新たなステージに挑戦したいと語る石井さん。石井さんと出会えた生徒さんは、本当に幸せだなと思います!! 

生徒さんのために、周囲の人の理解を得ながら、活動を拡大している石井さんの今後の動きに目が離せませんね。

さてこれからも不定期ではありますが、“おうちパンマスター”として独自のフィールドで活躍する方をご紹介していきます! ぜひ、お楽しみに!